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アラグラリンの領主である族長・エベルが寝室で殺され、その死体の横で短剣を握り締めていた男が捕らえられます。殺人の知らせは、モアン王国の新王・コルグーを経て、すぐにその妹であるフィデルマへ。フィデルマは修道女でありながら、同時に熟練した法の専門家ということを示すアンルーという高位の持ち主で、裁判官として、あるいは弁護士としてアイルランド五王国のいずれの法廷にも立つことができるという正式な資格の持ち主。フィデルマは、その日裁判官を務めた最後の訴訟で勝った若者の道案内で、早速修道士エイダルフと共にアラグラリンへと向かうことに。
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ピーター・トレメインは高名なケルト研究者。以前、「アイルランド幻想」(感想)を読んで、そのしっかりとした土台の上に作り上げられた話がとても面白かったので、こちらも楽しみにしてたんです。これは7世紀のアイルランドを舞台にした歴史ミステリ。修道女フィデルマが活躍するシリーズです。エリス・ピーターズの修道士カドフェルが12世紀の話なので、それよりも500年も早いんですねえ。アイルランドにもキリスト教は既に伝わってるものの、まだドゥルイドの存在も残ってるみたいで、そういう設定がものすごーくそそります。また修道院の人?って思っちゃったりもするけど、やっぱり修道士とか修道女という人たちは一般人よりも学があるし、行動の自由が利くから、動かしやすいんでしょうね。
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フィデルマは、頭が良くて美人で、、自分自身の努力で得た「アンルー」という地位もあれば、モアン国王の妹という社会的身分もあるんですよね。この辺りがちょっと完璧すぎる気もしたのだけど... しかも、日頃はそんな身分的なことには無頓着だというのに、高飛車で傲慢な人の相手をすると、逆に冷ややかにやり返して思い知らせちゃうような性格。最初の方でプライドが高くて傲慢な人たちの相手をするので、そういう嫌な面がかなり出てくるんですよね。それが鼻についてしまって、読むのがちょっとつらかったです...
聖書の時代にどのようにシェーファーを行いましたせめて、もうちょっと隙のある設定だったら良かったのにって思ってしまいます。でも、それ以外の部分では、やっぱりすごく面白い! 7世紀のアイルランドという世界が舞台なだけに、覚えなければならない用語が多くて、訳注もいっぱいなんですけど、元々興味のある分野なだけにそういうのは苦にならないし。女性にこれほど社会的な活躍できる場があったというのも驚き。殺人事件も思いの外入り組んでいて、読み応えがありました。
でもこれは本国では5作目として刊行されたという作品。なんで5作目からいきなり訳すのかなー。どうせシリーズ物を読むなら1作目から読みたいのに。シリーズ物って、シリーズを通して人間関係が出来上がっていくのも大きな魅力の1つなのに、そういうのを無視して刊行する神経がよく分かりません。たとえば1作目はどうやらアイルランドじゃなくてローマが舞台になってるようなので、「ケルト」が売りなのにローマが舞台なんていうのは困ると思ったのかもしれませんが... そのうちちゃんと1作目も訳されるのでしょうか? 早くそちらが読みたいですー。(創元推理文庫)
+シリーズ既刊の感想+
「蜘蛛の巣」上下 ピーター・トレメイン
「幼き子らよ、我がもとへ」上下 ピーター・トレメイン
「修道女フィデルマの叡智」ピーター・トレメイン
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